自然と向き合う仕事を知っていますか?〜自然観察指導員という選択肢〜

目次

「好き」を仕事にできる、そんな働き方があります

「将来何になりたいか分からない」「人と違う道を歩みたい」そんなふうに思ったことはありませんか?

実は、自然が好きな気持ちを直接仕事にできる素敵な職業があります。それが「自然観察指導員」です。難しい資格や特別な才能は必要ありません。必要なのは「自然っておもしろい!」と思う気持ちだけ。

今回は、埼玉県で活動している「NPO法人自然観察指導員埼玉」という団体の取り組みも交えながら、この魅力的な分野について詳しくお話しします。

NPO法人自然観察指導員埼玉の活動紹介

まず、埼玉県で実際に活動している団体の例をご紹介しながら、自然観察指導員がどんな活動をしているのかを見てみましょう。

団体の理念と活動

「NPO法人自然観察指導員埼玉」は「身近な自然に触れる」をモットーに、埼玉県内で自然観察活動を行っている団体です。「動植物の名前を知らなくても構いません。日々の生活から離れ、花々の香り、色とりどりの昆虫たち、野鳥のさえずり、五感をフルに使って私たちと一緒に自然を感じてみませんか?」というメッセージからも分かるように、難しい専門知識よりも「自然って楽しい!」という気持ちを大切にしています。

実際の活動内容

県内各地での楽しい観察会

  • さいたま市周辺:芝川での早起きバードウォッチング
  • 狭山丘陵エリア:子ども自然教室「トトロの森で生き物探し」
  • 熊谷市:観音山での季節の自然観察会
  • 北本市:北本自然観察公園での定期活動
  • 秩父地域:三峰ビジターセンターでの自然散策

みんなで学べる教育活動

  • 自然観察指導員になるための講習会
  • 小中学校への出張自然観察授業
  • 指導員の人たちが集まる勉強会
  • 地域グループ同士の交流

地域に根ざした活動

この団体では、県内の様々な地域で活動するグループがあります:

  • 東部自然クラブ:北本・上尾エリア
  • 西部地区自然観察指導員ネットワーク:所沢・飯能・狭山エリア
  • さいたまフレンド:さいたま市・川口エリア
  • 北部埼玉自然観察グループ:熊谷・深谷エリア

それぞれの地域グループが、地域の特性を活かした自然観察活動を行っています。

この団体では、多くの会員がボランティアや副業的な活動として参加しており、本業を持ちながら週末や空いた時間に自然教育活動に取り組んでいます。

自然観察指導員って何をする人?

上記の活動例からも分かるように、自然観察指導員は身近な自然の素晴らしさを色々な人に伝える専門家です。難しい専門用語を覚えるよりも、「自然っておもしろい!」「生き物ってすごい!」という感動を一緒に分かち合うことが一番大切な仕事です。

自然観察指導員の主な活動

子どもたちとの楽しい自然体験

  • 森や公園での生き物探し
  • 昆虫や植物の観察体験プログラム
  • 小中学校への出張授業やサポート

大人向けの自然観察会

  • 野鳥観察(バードウォッチング)
  • 季節の花や昆虫を観察する定期観察会
  • ハイキングを兼ねた自然散策

新しい指導員を育てる仕事

  • 自然観察指導員になりたい人向けの講習会
  • すでに指導員として活動している人のスキルアップ研修

いろいろな働き方ができる

自然観察指導員のいいところは、自分のライフスタイルに合わせて働き方を選べることです:

  • フリーランス型:イベントごとに依頼を受けて働く
  • NPO・団体職員型:環境教育団体や自然系施設で働く
  • 副業型:本業を持ちながら週末や休日に活動する
  • 教育機関型:学校や博物館、自然学習施設で正職員として働く

なぜ今、この仕事が注目されているの?

社会の変化と自然教育の必要性

現代社会では、スマホやゲームが普及する一方で「自然との接触不足」が大きな問題になっています。特にコロナ禍を経験して、心の健康と自然とのつながりがとても重要だということが分かってきました。

  • 子どもたちの外遊び時間がどんどん減っている
  • 大人もストレス解消の方法を求めている
  • 環境問題への関心が高まっている
  • SDGsや持続可能な社会への意識が強くなっている

将来性のある分野

環境教育の分野は今後も需要が伸びると予想されており、自然観察指導員の経験は様々なキャリアにつながります:

  • 環境教育専門職
  • エコツーリズムガイド
  • 自然系博物館・施設職員
  • 学校教員(理科・生活科)
  • 自然療法・森林セラピー関連

通信制高校生にこの分野がおすすめな理由

1. 今までの学習経験を活かせる

通信制高校では、普通の高校とは違う学習スタイルを経験していますよね。この経験は自然観察指導でもとても役に立ちます:

  • 一人ひとりに合わせた対応力:参加者の興味や理解度に合わせた指導ができる
  • 柔軟性:その場の状況に応じてプログラムを変更できる
  • 自主性:自分で計画を立てる経験が、プログラム企画に活かせる

2. 人とのコミュニケーション能力が自然に身につく

自然観察指導員は、年齢も背景もバラバラな色々な人たちと関わります。通信制高校で様々な人と出会った経験が、この仕事でとても役に立ちますよ。

3. 「好き」を社会貢献に活かせる

もしあなたが生き物や自然に興味があるなら、それを社会貢献や将来の職業につなげられる素晴らしい分野の一つです。研究者みたいに深い専門知識は必要なくて、「好き」という気持ちと「人に伝えたい」という思いが一番大切な資質なんです。

どんなふうにキャリアを積んでいくの?

パターン1:段階的にプロへ

  1. 高校時代:地域のNPOや団体のイベントにボランティア参加
  2. 卒業後:自然観察指導員講習会を受講・資格取得
  3. 20代前半:アルバイトとして各種イベントに参加、経験を積む
  4. 20代後半:フリーランスとして独立、または環境教育施設・団体の職員に

パターン2:他分野と組み合わせ

  • 教育系:小学校教員として働きながら + 自然観察指導員として地域活動
  • IT系:Webデザイナーとして働きながら + 自然系YouTuber・ブロガー
  • 観光系:観光業界で働きながら + エコツーリズムのスキルアップ
  • 福祉系:福祉施設で働きながら + 自然を活用した療育活動

どんなスキルや資格が必要?

基本的に必要なスキル

  • コミュニケーション能力:小さな子どもからお年寄りまで、誰とでも楽しく話せる
  • 観察力:身の回りの小さな変化に気づくことができる
  • 安全管理への意識:野外活動での安全をしっかり確保する
  • 企画力みんなが楽しめるプログラムを考える

取っておくといい資格

  • 自然観察指導員 – 日本自然保護協会が認定
  • 森林インストラクター – 森林インストラクター全国協議会が認定
  • ビオトープ管理士 – 日本生態系協会が認定
  • 普通救命講習 – 最寄りの消防署などで受講できます

埼玉県内で実際に始めるには?

1. まずはイベントに参加してみよう

NPO法人自然観察指導員埼玉では、定期的にイベントを開催しています:

  • 早起きバードウォッチング(毎月開催されています)
  • 子ども自然教室(狭山丘陵で実施)
  • 観音山定期観察会(熊谷市で実施)

参加費は無料か、とても安い金額で、事前の申込みが必要ないイベントもたくさんあります。

2. 指導員講習会について知ろう

自然観察指導員講習会は年に数回、全国各地で開催されています。ただし、自然観察指導員として登録するには満18歳以上である必要があります。高校生の場合は卒業後に受講することになりますが、今のうちから講習会の内容や開催情報をチェックしておくと良いでしょう。修了すると「自然観察指導員」として登録され、全国の指導員ネットワークに参加できます。

3. 地域グループに参加してみよう

県内には複数の地域グループがあって、それぞれ特色のある活動をしています:

  • 東部自然クラブ:北本自然観察公園が中心
  • 西部地区ネットワーク:狭山丘陵エリア
  • さいたまフレンド:さいたま市周辺
  • 北部埼玉グループ:熊谷・深谷エリア

今からできること

高校在学中にできること

基礎知識を身につける

  • 身近な生き物の名前を覚える(スマホアプリを活用)
  • 自然観察系のYouTubeチャンネルを見る
  • 図鑑や自然観察のガイド本を読む

実際に体験してみる

  • NPOのイベントに積極的に参加する
  • 地域の自然観察会に足を運ぶ
  • 家族や友人と近所の公園で「プチ観察会」をやってみる

役立つスキルを伸ばす

  • 写真撮影の技術(自然の記録用)
  • 簡単な動画編集(活動記録用)
  • 人前で話す練習
  • 基本的なパソコンの操作

進学・就職との両立

この分野のいいところは 「自分のペースで成長できる」 ことです:

  • 大学・専門学校に進学:生物学、環境学、教育学などを学びながら活動を続ける
  • 他の業種に就職:安定した収入を確保しながら週末だけ指導員として活動する
  • アルバイト:接客業や教育関連のバイトをしながら、空いた時間で自然観察活動に参加する

自然観察指導員という活動の魅力

「完璧でなくても始められる」

自然観察指導員の活動では、最初から全ての動植物の名前を知っている必要はありません。参加者と一緒に「あ、この虫なんだろうね?」「あの鳥の鳴き声、初めて聞いた!」と驚き、一緒に調べることも大切な活動の一部です。

「幅広い世代の人とつながれる」

自然観察会には、小さな子どもからお年寄りまで様々な年代の人が参加します。自然を通じて年齢を超えたつながりが生まれ、参加した子どもが将来環境の分野に進むきっかけになることもあります。

「自分自身も学び続けられる」

指導員として活動することで、参加者からの質問や新しい発見によって、自分自身の知識や視点も広がります。毎回の観察会が新たな学びの機会となり、自然への理解が深まっていきます。

まとめ:あなたの「好き」が誰かの「きっかけ」になります

自然観察指導員は、人と自然をつなぐ大切な橋渡しとして、確実に社会に必要とされている分野です。

通信制高校で身につけた「自分らしい学び方」「色々な価値観への理解」「状況に応じた柔軟性」は、この分野でとても大きな強みになります。

まずは一度、NPO法人自然観察指導員埼玉のイベントに参加してみませんか?そこで感じた「わくわく」や「発見の喜び」が、あなたの将来の方向性を決めるヒントになったり、生涯続けられる素敵な活動になったりするかもしれません。


参加申込・問い合わせ先

  • NPO法人自然観察指導員埼玉
  • ウェブサイト:https://www.shizen-saitama.com/
  • イベントは当日受付のものも多く、参加費も無料~数百円程度です

あなたの新しい可能性への第一歩を、自然の中で踏み出してみませんか?

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