失敗しない通信制学校の選び方|種類・特徴・注意点を埼玉県越谷市の通信制高校、サポート校の講師が徹底解説!
はじめに:不登校から見えてきた新たな学びの選択肢
不登校のお子さんを持つ親御さんにとって、「この先どうすればいいのか」という悩みは尽きないものですよね。新開高等学院では、高校1年生の終わりごろから不登校になり、通信制高校という選択肢を考え始める生徒が多いことを実感しています。
入学を検討される方からは、「通信制でもちゃんと学べるの?」「一人で勉強することになって孤独じゃない?」といった不安の声をよくいただきます。そうした声に対して、新開高等学院では通信制高校にもさまざまな種類があり、生徒一人ひとりの状況や性格に合わせた学び方を選べることを丁寧にお伝えしています。
特に、学校説明会や体験会では、「通信制=孤独な勉強」というイメージを覆す取り組みを紹介しています。新開高等学院では、自宅学習を中心としながらも、先生や友達との交流の機会をしっかり確保したカリキュラムを用意しており、多くの方がその内容に驚かれます。また、生徒からは「完全に在宅よりも、少しでも通学がある方が安心できる」といった声も聞かれます。
この記事では、通信制高校の主な種類や特徴、選ぶ際のポイントなどを、実際の経験を交えながらわかりやすく解説していきます。お子さんにぴったりの学びの場を見つけるための参考になれば幸いです。

目次
1. 通信制学校の種類と特徴
1-1. 公立通信制高校
公立通信制高校は、各都道府県に少なくとも1校は設置されている高等学校です。最大の特徴は学費の安さで、経済的な負担を抑えながら高校卒業資格を取得できます。
【公立通信制高校の主な特徴】
- 学費が安い(年間10万円前後が多い)
- 全日制と同じ「高等学校卒業資格」が取得できる
- レポート提出とスクーリング(登校日)が基本
- 自己管理能力が求められる
- 教師との関わりは限定的な場合が多い
公立通信制は費用面で大きなメリットがある一方、基本的に自分で学習を進める必要があるため、学習習慣が身についている生徒や、自己管理が得意な生徒に向いています。
1-2. 私立通信制高校
私立の通信制高校は公立に比べて学費は高めですが、その分さまざまなサポート体制が充実していることが多いです。
【私立通信制高校の主な特徴】
- オンライン授業や個別指導などサポートが手厚い学校が多い
- 学習管理システムを導入している学校も
- 登校頻度や学習スタイルが選べるコース制を採用している場合がある
- 公立より学費が高い(年間30〜100万円程度)
- 特色ある課外活動や専門コースを設けている学校も
子どもが「一人で学習を進めるのは不安」と感じる場合や、特定の分野に特化した学びを希望する場合には、私立通信制高校が選択肢となるでしょう。
1-3. サポート校・技能連携校
サポート校は、正式には通信制高校ではなく、通信制高校に在籍しながら週に数日通学して学習サポートを受ける学校です。
【サポート校の主な特徴】
- 少人数制で教師との距離が近い
- 週に数日の通学で学習習慣を維持できる
- 通信制高校の学習をサポートする形で授業が行われる
- 通信制高校の学費に加えてサポート校の学費が必要
- 仲間と交流する機会が増える
完全在宅学習だと孤独感を感じやすい生徒や、ある程度の通学リズムを持ちたい生徒に適しています。ただし、通信制高校の学費に加えてサポート校の費用も必要となるため、金銭的な負担は大きくなる点に注意が必要です。
2. 学校選びで重要なポイント
2-1. 子どもの状況や性格を最優先に
通信制学校選びで最も大切なのは、子ども自身の状況や性格に合った環境を選ぶことです。不登校の背景は一人ひとり異なります。
- 集団生活自体が苦手な場合
- 人間関係のトラブルが原因の場合
- 学習面での苦手意識が強い場合
- 精神的な不調を抱えている場合
こうした状況に応じて、最適な学校は変わってきます。例えば、集団が苦手な子どもには在宅学習中心の通信制が、人と関わりながら学びたい子どもにはサポート校が適しているかもしれません。
何より重要なのは、子ども自身と十分に話し合い、どのような環境なら通い続けられそうかを一緒に考えることです。親の希望だけで決めてしまうと、再び不登校になるリスクもあります。
2-2. 学費と通学の負担を確認
通信制学校を選ぶ際には、総費用と通学にかかる負担をしっかり確認することが重要です。
【確認すべき費用項目】
- 入学金
- 授業料(年間・月額)
- 教材費
- 施設設備費
- スクーリング費用(宿泊を伴う場合は宿泊費も)
- ICT環境整備費(オンライン授業の場合)
- 制服代(必要な学校の場合)
- 交通費
- 昼食代(通学日がある場合)
特に私立通信制やサポート校の場合、パンフレットに記載されている基本費用以外にも、様々な追加費用が発生することがあります。説明会では遠慮せずに「これ以外に必要な費用はありますか?」と質問しておくことをおすすめします。
また、通学が必要なコースを選ぶ場合は、通学にかかる時間や交通費も大きな負担となります。子どもの体力面も考慮して、無理なく続けられる環境かどうかを見極めましょう。
2-3. 学習サポート・メンタルサポートはあるか
不登校を経験した子どもにとって、学習面とメンタル面のサポートは非常に重要です。
【チェックすべきサポート体制】
- 個別学習指導の有無
- 学習の遅れを取り戻すためのプログラムの有無
- オンライン質問対応の有無
- スクーリング時の少人数指導体制
- カウンセラーやメンタルサポート担当者の有無
- 保護者との連携体制
- 進路指導のサポート体制
特にメンタル面のケアについては、専属のカウンセラーが常駐している学校や、担任教員が定期的に面談を行う学校など、サポート体制は学校によって大きく異なります。子どもが「困ったときに誰に相談できるか」が明確になっている学校を選ぶと安心です。
3. 学校説明会や体験入学の活用法
3-1. 事前リサーチと質問リスト作り
学校説明会や体験入学に参加する前に、事前のリサーチが重要です。学校のウェブサイトやパンフレットを見て、興味を持った学校をいくつかピックアップしましょう。
【事前に確認しておきたい情報】
- スクーリングの頻度と内容
- 授業形態(対面・オンライン・自宅学習の割合)
- サポート体制
- 学費の詳細
- 卒業後の進路実績
また、説明会での質問をリストアップしておくことで、より効率的に情報収集できます。子どもと一緒に「気になること」をまとめておくと良いでしょう。
3-2. 実際の雰囲気を知る
説明会や体験入学の最大のメリットは、実際の学校の雰囲気を肌で感じられることです。
【チェックしたいポイント】
- 教職員の対応や熱意
- 施設の雰囲気や清潔感
- 在校生の様子
- 少人数制の場合は実際のクラスサイズ
- 教室や自習スペースの環境
特に子ども自身が「ここなら通えそう」と感じるかどうかが重要です。説明会後には必ず子どもの感想を聞いて、率直な印象を大切にしましょう。
3-3. 卒業生や在校生の声をチェック
多くの通信制学校では、卒業生や在校生の体験談をウェブサイトやパンフレットで紹介しています。特に不登校経験者がどのように学校生活を送り、卒業後どのような進路に進んだかを知ることは、子どもにとって大きな励みになります。
説明会では、可能であれば在校生と直接話せる機会も活用したいものです。「この学校で大変なことは?」「どんな支援が役立っている?」など、公式情報だけでは分からない実態を知ることができます。
4. 注意点:通信制特有の”落とし穴”
4-1. 自主性が必要
通信制学校最大の特徴は、自分のペースで学べることですが、それは同時に自己管理能力が求められるということでもあります。
特に公立通信制高校では、レポート提出やスクーリングの日程管理など、ほとんどを自分で管理する必要があります。学習習慣が身についていない子どもや、計画的に物事を進めるのが苦手な子どもの場合、私立通信制の中でも個別フォローが手厚い学校やサポート校を検討した方が良いでしょう。
4-2. 宣伝文句に惑わされない
私立通信制やサポート校の中には、「不登校でも安心」「有名大学合格実績多数」などの華やかなキャッチコピーを掲げる学校もあります。しかし、実態は宣伝文句とは異なる場合もあるため注意が必要です。
【見極めるポイント】
- 合格実績の詳細(何人中何人が合格したのか)
- サポート内容の具体的な内容(「手厚いサポート」の実態は?)
- 実際の登校率や卒業率
- 在校生や卒業生の生の声
興味を持った学校があれば、必ず説明会や体験入学に参加して実態を確かめ、子どもに合っているかを冷静に判断することが大切です。
4-3. 子どもの将来像も考慮する
通信制学校を選ぶ際には、高校卒業後の進路も視野に入れることが重要です。
【確認しておきたい点】
- 大学進学を希望する場合、進学指導の体制はどうか
- 専門学校や就職を希望する場合のサポートはあるか
- 資格取得のためのカリキュラムや対策はあるか
- インターンシップなど社会経験を積む機会はあるか
子どもの興味や得意分野を伸ばせる特色ある授業やコースがある学校を選べば、学習へのモチベーションも高まりやすくなります。
5. おわりに:親は”次の一歩”を支える伴走者
通信制学校への進学は、不登校を経験した子どもにとって新たなスタートとなります。最初は戸惑うことも多いかもしれませんが、自分のペースで学べる環境の中で、少しずつ自信を取り戻していく子どもも少なくありません。
Aさんも、自分のペースで勉強し、スクーリングで友達と交流するうちに、徐々に「少しずつ頑張ってみようかな」という表情を見せるようになりました。適応には時間がかかる子もいれば、意外と早く新環境に馴染む子もいます。大切なのは焦らず、子どものペースを尊重することです。
通信制学校は「行くところがないから仕方なく」選ぶものではなく、子どもに合った学び方を実現するための積極的な選択肢です。オンライン学習を活用した先進的なプログラムや、プロジェクト型学習など、従来の全日制では体験できない学びのスタイルと出会えることもあります。
親御さんとしては、そばで見守りながら必要なときにサポートし、子どもが自分で”次の一歩”を踏み出せるよう寄り添っていきたいと思っておられるでしょう。時には勉強よりもメンタル面のケアが優先されることもあるでしょうし、逆に子ども自身が「もっと勉強したい」と意欲を見せることもあるかもしれません。
その変化を柔軟に受け止めながら、通信制学校という選択肢をプラスに活かしていければ、きっと新しい景色が開けていくはずです。悩みながらも子どもと一緒に積み重ねてきた対話の過程が、将来の大きな力になると信じています。
まとめ:失敗しない通信制学校選びのチェックリスト
- 子どもの性格や状況に合った学校を選ぶ
- 自己管理能力はあるか
- どの程度の人間関係を望んでいるか
- 学習面での課題は何か
- 学費と通学の負担を事前に確認
- 入学金・授業料だけでなく追加費用も確認
- 通学にかかる時間と費用を考慮
- サポート体制を詳しくチェック
- 学習面のサポート(個別指導など)
- メンタル面のサポート(カウンセラーの有無など)
- 進路指導のサポート
- 説明会・体験入学で実態を確認
- 教職員の対応
- 施設の雰囲気
- 在校生の様子
- 将来の進路も視野に入れる
- 進学・就職のサポート体制
- 特色ある学びの機会
子どもに合った通信制学校を見つけるためには、焦らずじっくりと情報収集することが大切です。この記事が、新たな一歩を踏み出す子どもたちとその家族の参考になれば幸いです。
