埼玉県のスクーリング、宿泊なしの通信制高校

はじめに
高校卒業資格を得られる「通信制高校」は、自分のペースで学べる柔軟な仕組みが魅力です。
中でも注目されているのが、宿泊を伴わない日帰り型のスクーリング。
「集団生活が苦手」「宿泊が不安」「なるべく家の近くで通いたい」――そんな思いを持つ生徒やご家族にとって、通いやすく、続けやすい学びの形です。
この記事では、埼玉県内で宿泊なしでスクーリングが完結する通信制高校にフォーカスし、それぞれの特徴や選び方のポイントをわかりやすく紹介します。
将来の進路に迷う方や、ご家族で進学先を検討中の方にとって、安心できる選択肢のひとつになれば幸いです。
スクーリングの種類と選び方
通信制高校の卒業には、単位取得に加えて「スクーリング(対面授業)」の参加が法律で定められています。このスクーリングには主に「宿泊型」と「日帰り型」の2種類があり、生徒の状況やニーズに応じて選ぶことができます。
埼玉県内の宿泊なし通信制高校 詳細比較
ここでは、埼玉県内で宿泊を伴わない日帰りスクーリングに対応している通信制高校の中から、代表的な6校を紹介します。
それぞれの学校が持つ特色、学習スタイル、進路サポートなどを比較しながら、自分に合った学校を見つけるヒントにしてください。
第一学院高等学校(所沢キャンパス)
- 所在地: 所沢市くすのき台3丁目
- スクーリング形式: 週1~週5/完全日帰り制
- 学費目安: 年30万円~(別途教材費などあり)
特徴:
- 生徒一人ひとりに合わせた「個別最適化」プログラムを提供
- 不登校経験者への心理的ケア・カウンセリング体制が充実
- 就職・進学・専門進路まで、”自分らしい生き方”に寄り添う支援が好評
進路実績: 早稲田大学、専門学校HAL、就職・起業等、多方面に対応
クラーク記念国際高等学校(さいたまキャンパス)
- 所在地: さいたま市大宮区宮町
- スクーリング形式: 週2~5日/通学型(宿泊不要)
- 学費目安: 年40~50万円前後(コースにより異なる)
特徴:
- eスポーツ・グローバル・STEAM・大学進学など、特化型コースが豊富
- 校舎が都市部にあり、アクセスも良好
- プロ講師による授業・ICTを活用したハイレベルな学習環境
進路実績: 東京理科大学、上智大学、eスポーツプロチーム等
飛鳥未来きずな高等学校(さいたまキャンパス)
- 所在地: さいたま市中央区
- スクーリング形式: 選択制(月1/週1~3など)日帰り対応
- 学費目安: 年30万円前後(学費+選択コース別費用)
特徴:
- 美容・声優・医療事務・福祉など、専門コースが選べる自由な校風
- 教員・カウンセラーとの距離が近く、アットホームな雰囲気
- 通学スタイルは段階的に選べ、生活リズムを崩さずに通える
進路実績: 専門学校・就職・国家資格取得など多様なルートに対応

鹿島学園高等学校(埼玉県各地に学習センターあり)
- 所在地: 県内複数(越谷・川越・熊谷など)
- スクーリング形式: 月1回~週3回まで自由設定/日帰り型
- 学費目安: 年20万円前後(コースにより変動)
特徴:
- 全国展開のネットワークを活かし、働きながら学ぶスタイルにも柔軟対応
- 自宅学習と登校を自由に組み合わせられるカリキュラム
- 通信機器を使った動画授業やオンラインサポートも充実
進路実績: 大学・専門・フリーランスなど、幅広い進路に対応
ルネサンス高等学校(埼玉学習拠点あり)
- 所在地: オンライン中心(スクーリングは関東圏拠点で日帰り実施)
- スクーリング形式: 年数回/宿泊不要の短時間スクーリング
- 学費目安: 年25万円前後(入学金・教材費込み)
特徴:
- 完全オンライン授業中心、動画+ライブ配信でいつでも学習可能
- スマホで学べるシステムが人気、時間や場所に縛られない
- 全国どこからでも通える柔軟性が強み
進路実績: 芸能活動・スポーツ選手・IT系進学など個性を活かした進路多数
新開高等学院
- 所在地: 埼玉県越谷市
- スクーリング形式: 都内で実施。完全日帰り
HP https://shinkai-gakuin.com/
特徴:
- 個別指導を中心とした少人数制のきめ細かいサポート
- 不登校生徒への理解が深い
- 進路指導から生活指導まで包括的なサポート体制
- アットホームな雰囲気で安心して通える環境づくりを重視


このように、埼玉県内にはそれぞれ特色の異なる「宿泊なし対応」の通信制高校が多く存在します。
自分の生活リズムや将来の進路、通学の負担、どこまでサポートが必要か――そうした視点から複数校を比較して、無理なく続けられる学校を見つけましょう。
保護者・生徒のリアルな声
宿泊なしで通える通信制高校は、「安心して通い続けられる環境が整っている」という点で、多くの生徒・保護者から高い支持を受けています。
ここでは、実際に日帰り型スクーリングを選んだ家庭のリアルな体験談を紹介します。
生徒:17歳(不登校経験あり)
「中学のときは、人と会うのも怖くて、全然学校に行けませんでした。最初は『高校なんて無理かも』と思ってたけど、母と一緒に見学に行った学校が“月1回だけ登校でもOK”だったんです。『これなら行けるかも』って初めて思えました。
最初は1回だけ行って、あとはずっとオンライン。でも少しずつ慣れて、今は週1で通えるようになってます。宿泊とか合宿がないから、気持ちの面でめっちゃ助かってます。」
保護者:40代母(仕事と子育ての両立中)
「うちの子は体が弱くて、長距離移動や宿泊はとても難しい状況でした。なので、最初から”日帰りで通えること”が絶対条件だったんです。
今通っている学校は自宅から30分くらいの場所にあり、体調が良くない日は無理せずオンラインでサポートを受けられます。
親としても、すぐに連絡が取れる・送り迎えができる距離にあるというのは、想像以上に大きな安心材料でした。」
生徒:16歳(発達特性あり)
「集団生活が苦手で、合宿なんて考えただけでムリ…って感じでした。でも今の学校は、少人数で静かだし、毎回日帰りだから気持ちの負担が軽いです。
行けない日はオンラインで補講してくれるし、『行けるときだけ行けばいいよ』って先生が言ってくれたのが救いでした。今は友達もできて、文化祭も参加してみたいなって思えてます。」
保護者:父親(単身赴任・子どもとの距離に悩む)
「離れて暮らしているぶん、子どもの進路には不安もありました。正直、全日制はもう無理かもしれないって思っていたんですが、日帰りで通える通信制があると知って希望が見えました。
妻が送り迎えをしながら、子どもは安心してスクーリングに通えています。今ではレポートを見せてくれたり、自分から話しかけてくれることが増えて、親としてとても嬉しいです。」
生徒:18歳(通信制から大学進学を目指す)
「宿泊がないのは最初どうでもいいと思ってたけど、実際に通い始めると、“毎回慣れた場所に帰れる”ことがどれだけ大事か実感しました。
精神的に安定することで、勉強にも集中できるようになって、今は推薦で大学進学を目指しています。周りに似た境遇の仲間がいたのも心強かったです。」
これらの声に共通しているのは、「宿泊の有無が、学校生活の継続に直結している」ということ。
日帰りで通える環境があることで、安心して学びを続けられる土台ができ、生徒自身も徐々に前向きな気持ちを取り戻していけるのです。
選ぶ際のチェックリスト
通信制高校は、学校ごとにカリキュラムやサポート内容、通学スタイルが大きく異なります。
特に「宿泊なしで通えること」を前提とした場合でも、学校選びで失敗しないためには、自分(またはお子さん)にとっての「通いやすさ」「学びやすさ」「安心感」を軸に比較することが大切です。
以下のチェックリストを参考にしながら、候補となる学校を絞り込んでみてください。
学校の立地・アクセス
- □ 自宅から1時間以内で通える場所にあるか
- □ 最寄駅からの距離や通学路に無理がないか
- □ 通学時の付き添いや送迎がしやすい立地か
スクーリングの頻度・形式
- □ 完全日帰りで参加できることが確認できているか
- □ 月1〜週数回など、負担の少ない登校頻度が選べるか
- □ 欠席時の振替制度や補講体制が整っているか
学費・費用面の確認
- □ 授業料・入学金・教材費の内訳が明確か
- □ 宿泊費・交通費などの追加費用が発生しないか
- □ 就学支援金の対象になっているか(年収によって負担が軽減される場合あり)
学習・サポート体制
- □ 個別対応・担任制・チューター制度があるか
- □ 苦手科目や進路に応じた個別学習支援があるか
- □ 心理面・メンタル面での相談窓口があるか(スクールカウンセラー等)
進路サポートの充実度
- □ 大学・専門学校・就職など、希望進路に向けた具体的な支援があるか
- □ 模擬試験や進路ガイダンス、体験授業などが実施されているか
- □ 過去の進路実績(合格校や就職先)を確認できるか
学校の雰囲気・フィーリング
- □ 校風が自分(または子ども)に合いそうか
- □ 少人数・静かな環境で落ち着いて学べるか
- □ 先生やスタッフの対応に信頼感が持てるか
説明会・見学の可否
- □ 学校見学や個別相談が可能か(予約制が多い)
- □ オンラインでの説明会や資料請求に対応しているか
- □ 実際の教室や登校環境を自分の目で確認できるか
チェックリストの活用方法
上記の項目を紙に印刷してチェックしていったり、複数校を横並びにして比較表を作るのもおすすめです。
1つでも「気になる」「ここは不安かも…」という項目があれば、事前に学校側へ質問・相談しておくことで、入学後のギャップを防ぐことができます。
学校選びは、人生を大きく左右する選択のひとつです。だからこそ、「なんとなく良さそう」ではなく「自分に合っているかどうか」という視点を持って選んでくださいね。
まとめ
宿泊なしで通える通信制高校は、学びの選択肢を広げるだけでなく、「安心して通い続けられること」そのものを叶えてくれる大切な存在です。
「集団生活が苦手」「宿泊に不安がある」「毎日の体調に波がある」――そんな理由で進学をあきらめかけていた生徒たちも、日帰り型スクーリングという選択肢によって、“自分らしいペースで学ぶ”という道が開けるようになりました。
埼玉県内には、さまざまな特色を持つ通信制高校が点在しており、それぞれに異なるカリキュラムやサポート体制があります。
だからこそ、「通いやすさ」や「自分との相性」を第一に考えながら、複数の学校を比較検討することが重要です。
まずは気になる学校への資料請求や見学会への参加から始めて、実際の雰囲気を感じ取ってみてください。きっと、あなたにとって最適な学びの場が見つかるはずです。
一歩ずつ、自分らしいペースで。あなたの未来に向けた新しいスタートを応援しています。