【体験者が語る】不登校の理由がわからない時の心の状態と対処法

「朝になると体が動かない」「教室のドアを開けられない」「理由はわからないけど学校に行くのが怖い」

そんな経験をしたことはありませんか?本人も家族も「なぜ学校に行けないのか」がわからずに悩む不登校。この記事では、実際に不登校を経験し乗り越えたCさんの体験談から、原因不明の不登校の心理状態と対処法について詳しく解説します。

目次

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理由がわからない不登校の実態

不登校には、いじめや学業不振など明確な理由がある場合もありますが、本人にも周囲にも「なぜ学校に行けないのか」が分からないケースも少なくありません。文部科学省の調査によると、不登校の理由として「無気力・不安」が最も多く、全体の約30%を占めています。つまり、多くの子どもたちが明確な理由なく学校に行けなくなっているのです。

不登校を経験したCさんの声を聞いてみると、次のような体験が語られています。

「行かないといけないという気持ちと行きたくないという気持ちが交互に来るような感じでした。学校の事を考えると気持ち悪くなりました。学校がない日でも学校の事を考えてしまったり、不登校について考えてしまうことが多かったです。」

理由がわからないままの不登校は、本人にとっても大きな苦しみなのです。

本人も気づかない不登校の心理状態

不登校を経験したCさんに「なぜ学校に行けないのか分からない状態で、どのような感情を抱きましたか?」と質問したところ、次のように回答してくれました。

「自分が不登校になってしまった原因やどうしたら元の生活に戻れるかを考えていました。不登校になると普通の生活ができなくなるので、家にいても『学校に行かなくていいのか』『本当に自分の人生がどうなってもいいのか』などを考えるようになり、不安感や自分に対する嫌悪感、怒りなどを覚えていました。」

また、Cさんは周囲の目についても次のように語っています。

「周りの目が痛いというか人目を避けていました。頑張って学校に行っても『なんで来るんだよ』のようなことを言われているように感じてしまいます。そのため、なるべく人目を避けて生活していました。」

これらの体験談からわかるのは、不登校の子どもたちは「行けない自分」を責め、自己否定感を強めていることです。理由がわからないことで、さらに自分を追い詰めてしまう悪循環に陥りやすくなります。

「行きたくない」と「行かなければ」の間で揺れる気持ち

不登校の子どもたちは、「行かなければならない」という気持ちと「行きたくない」という気持ちの間で揺れ動いています。Cさんはこう語ります。

「『行かないといけない』という気持ちと『行きたくない』という気持ちが交互に来るような感じでした。『行かないといけないけど行きたくない』という感情になってしまい、学校の事を考えると気持ち悪くなりました。学校がない日でも学校の事を考えてしまったり、不登校について考えてしまうことが多かったです。『なんで不登校になってしまったのだろう』『なんで思い通りにいかないんだろう』などと考えているうちに学校に対してより恐怖感を抱いてしまい、夜もなかなか寝れなかったです。」

このように、不登校の状態にある子どもたちは、常に葛藤を抱えています。行きたくないという気持ちと闘いながらも、行かなければという義務感や周囲への罪悪感に苦しんでいるのです。

精神科医の見解によると、このような葛藤状態は「アプローチ・アボイダンス・コンフリクト(接近-回避葛藤)」と呼ばれる心理状態に近いとされています。学校という場所に対して、行きたい(接近)気持ちと行きたくない(回避)気持ちが同時に存在することで、強い精神的ストレスが生じているのです。

理由がわからない不登校の隠れた原因

不登校になった理由が「わからない」と感じていても、実は後から振り返ると原因が見えてくることもあります。不登校経験者のCさんに「何か『これが原因かも』と後から気づいたことはありますか?」と質問したところ、次のように回答しました。

「人間関係です。友達作りに苦戦したのが一番の理由だと思います。」

また、Cさんは別の要因についても次のように振り返っています。

「私の場合は高校に入学して新しい人間関係が作れるか不安でドキドキしている時にSNSでたくさんのアンチコメントがきてしまいました。そうすると学校の事でただでも精神が弱っているのに生活習慣やSNSでの誹謗中傷等が加わって完全に精神が崩壊しました。そこから不登校になってしまいました。」

さらに、身体的な要因が関係していることも少なくありません。Cさんは次のように語ります。

「起立性調節障害みたいな症状(朝に起きれないなど)があったことからどうしても朝は遅刻して行ったりしていました。そのような生活を送っていると当たり前ですが1時間目など最初の方の授業が足りなくなってきます。先生に『このままだと留年です』とまで言われてしまいました。」

このように、不登校の原因は一つではなく、複数の要因が複雑に絡み合っていることが多いのです。本人が「理由がわからない」と感じていても、実は人間関係の困難さ、SNSでのトラブル、身体的な問題などが背景にあることが少なくありません。

教育相談の専門家によると、思春期の子どもたちは自分の気持ちや体の変化を言語化することが難しいことが多く、そのため「理由がわからない」と感じることがあります。しかし、専門家のサポートを受けながら丁寧に振り返ることで、少しずつ原因が見えてくることもあるのです。

不登校経験者が語る心の支えになったこと

では、理由がわからない不登校状態にある時、どのようなサポートが心の支えになるのでしょうか。Cさんは次のように語ります。

「少しでもいいので自分の気持ちを受け止めて欲しかったです。(理解して欲しかったです。)」

また、具体的なアドバイスについては次のように述べています。

「言葉に関しては内容によって感じ方は異なりました。例えばただ単に『学校に行け』『朝早く起きれるように工夫しろ』といった感じのことを言われたときはできない自分への怒りとそれを理解せずに言ってくる相手に対する怒りがありました。しかし、同じ内容でも具体的な策(カフェインをとる、朝の血圧を上げるなど)を言われたときはありがたかったです。」

このように、不登校の子どもに対しては、単に「学校に行きなさい」と言うのではなく、まずは気持ちを受け止め、その上で具体的な対策を一緒に考えるアプローチが効果的です。また、Cさんは次のようにも語っています。

「つらいと感じたときに相談できる人を見つけておくと、多少気持ちが楽になると思います。不登校から復活する人もいれば復活できない人もいます。また、復活までにかかる時間も人それぞれだと思います。しかし、焦らずに自分のペースで慣れていけばいいと思います。それが長続きするコツなのかもしれません。」

専門家によると、不登校の子どもへのサポートで最も重要なのは「焦らないこと」だと言われています。無理に学校に行かせようとするのではなく、子どものペースを尊重しながら、少しずつ前に進めるような環境づくりが大切なのです。

不登校期間に後悔しないためにやるべきこと

不登校の期間中でも、将来に向けて取り組んでおくべきことがあります。Cさんは次のように後悔を語っています。

「過去に戻れるとしたらもっと有意義に生活したいです。当時の自分はだらだらしながら『どうしたら学校にいけるか』考えていたり、『学校に行きたくない』という感情と戦っているだけでした。そのおかげで今は学校に行けているといえばそうなのかもしれませんが、もっと有意義な時間の使い方ができたのではないかと思っています。例えば、勉強したりいろいろなことに挑戦したりして不登校なら不登校なりに新たなことに挑戦するのもありだったと今では思います。」

特に勉強については、次のように強調しています。

「不登校の期間にしてなくて後悔したこと、1つ目は勉強です。復帰してからついていけなくなって本当に大変です。勉強だけはしておけばよかったと後悔しました。また、先ほども書きましたがやりたいことに挑戦しておけばよかったと思っています。時間はあったはずなのでその時間を『いつまでも悩んでいる時間』ではなく『未来の自分のために使う時間』にした方が良かったと思っています。」

教育の専門家も、不登校の期間中の学習継続の重要性を指摘しています。特に、自分のペースで学べるオンライン学習や家庭教師などを活用することで、学校に行かなくても学習を続けることが可能です。また、自分の興味関心に合わせた活動に取り組むことで、自己肯定感を高め、将来の可能性を広げることができるでしょう。

通信制高校という選択肢

不登校を経験した子どもたちにとって、通信制高校は新たな選択肢となります。Cさんは通信制高校のメリットについて次のように語っています。

「人間関係があまりないので苦労しない(精神的に疲れない)ところや家から出なくてもいいので周りの目を気にしなくて良いというところです。」

通信制高校は、自分のペースで学習を進められることが最大の特徴です。毎日学校に通う必要がないため、人間関係のストレスや「周りの目」を気にせずに学ぶことができます。また、多くの通信制高校では、生徒一人ひとりの状況に合わせたサポート体制が整っており、不登校を経験した生徒でも安心して学習を続けることができるのです。

Cさんは通信制高校での学びについて、次のようにアドバイスしています。

「学校は行かなくてもいいと思いますが勉強はした方が良いです。不登校になると基本的に家での生活になるため『勉強もしなくていいか』となりがちですがあとあと大変になります。不登校になった原因は人それぞれだと思います。(いじめ、居づらくなったなど)ただ、周りの人のせいで自分が将来の可能性を狭めるというのは違うと思います。」

通信制高校では、教科書やレポート、スクーリング(面接指導)などを通じて学習を進めていきます。普通高校と同じ高校卒業資格を取得でき、大学受験や就職にも対応しています。自分のペースで学べることで、不登校を経験した生徒も無理なく学習を続けることができるのです。

埼玉県越谷市の通信制サポート校で新たな一歩を

埼玉県越谷市には、不登校を経験した生徒のための通信制サポート校(新開高等学院)があります。通信制サポート校とは、通信制高校に在籍しながら、より手厚いサポートを受けられる教育施設です。

越谷市の通信制サポート校(新開高等学院)では、次のようなサポートを受けることができます:

  • 個別学習サポート: 一人ひとりの学習状況や理解度に合わせた個別指導
  • メンタルサポート: 不登校経験者に寄り添う専門カウンセラーによる相談サポート
  • 進路サポート: 将来の進路に向けた情報提供や対策指導
  • 生活リズム構築: 無理なく通学できる柔軟なスケジュール設定
  • 人間関係づくり: 少人数制で安心できる環境での交流機会の提供

Cさんのように不登校を経験した生徒にとって、「人間関係があまりなく精神的に疲れない」「周りの目を気にしなくて良い」環境は大きな魅力です。通信制サポート校では、生徒一人ひとりの状況に配慮しながら、無理のない形で高校生活を送ることができます。

不登校の理由がわからなくても、自分のペースで新たな一歩を踏み出せる環境が整っているのです。

まとめ:不登校の理由がわからなくても前に進める道はある

本記事では、不登校経験者Cさんの体験談をもとに、理由がわからない不登校の心理状態と対処法について解説してきました。「行かなければならない」と「行きたくない」の間で揺れ動く気持ち、周囲の目を気にする心理、そして後から気づく隠れた原因など、不登校の子どもたちが抱える複雑な思いを紹介しました。

不登校の理由がわからなくても、それは決して珍しいことではありません。大切なのは、その状態を責めるのではなく、まずは気持ちを受け止め、自分のペースで前に進んでいくことです。また、不登校期間中も勉強を続けること、自分の興味関心に取り組むことで、将来の可能性を広げることができます。

そして、通信制高校や越谷市の通信制サポート校(新開高等学院)という選択肢もあります。自分に合った環境で、無理なく学びを続けることができるのです。

Cさんの言葉を借りるなら、「焦らずに自分のペースで慣れていけばいい」のです。理由がわからなくても、あなたは一人ではありません。あなたに合った方法で、新たな一歩を踏み出すことができるのです。

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